8月最後の日、徳島で5番目に高い、矢筈山に登った。天気予報では晴れマークだったのに、落合峠はガスの中。好天を信じて山頂を目指して歩行開始。笹がすっかり刈られた登山道を快適に歩くのも束の間のこと。稜線からは微かな道らしき形跡を辿りながら、腰まで伸びた笹の大海原を掻き分けて進むことに。昨晩降ったであろう雨露で笹はびっしょり。それは重たくて、冷たくて歩くのも重労働。いつもは整備された登山道を歩くことがほとんどなので、笹こぎ初体験の人も多く、カルチャーショックだったかも知れないが、「良い経験になりました」の声。時折道端には笹の切れ間に、フウロやツリガネニンジン等の花も現れて、目を楽しませてくれた。アップダウンの少ない尾根道には、笹原と樹林帯が交互に現れて、いつしかガスも流れ始めて、見上げた空には青空が。木漏れ日の射す樹林帯は幻想的で美しく、樹間からは周囲の山並みも見え始めた。
矢筈山の前衛峰の手前には急な登りが控えている。ロープをしっかり握り締めて、急角度を登れば、トラバース道にテンニンソウの大群落がお出迎え。「素晴らしい」夏から秋へと季節の移行を告げる花はまさに咲き始めたばかり。そしたら太ももがチクチクと刺される痛みが. . . 気が付けば、今度はアザミの群落に紛れたみたい。のこぎり状の葉に「痛い、痛い」笑顔が続いた。そして笹原の向こうにようやく矢筈山頂が見えた。
そこからは時折点在する岩場を巻いたり、登ったりの繰り返しで、ようやく登頂。ガスで遠望は利かなかったが、高度感は十分で、長い道のりを歩いて得た達成感に酔いしれた。山頂部の笹は短く、ツツジの低木は早々と色付き、紅葉の走りを見る思いがした。
下山中、雲の晴れ間から南に剣、次郎笈、そして天狗塚。東に黒笠山、西に烏帽子山も顔を出してくれました。笹の下には結構、木の根、石も隠れていて、慎重に歩いて下山。途中に笹を刈っている集団に遭遇すれば、数年ぶりに山頂まで刈るのだそうだ。「10月の紅葉にまた来てください。その時には歩き易くなっていますから」と云って頂きました。来年は笹の代わりにきっと夏の高山植物が咲き乱れるお花畑が久しぶりに出来ることでしょう。今から楽しみです。
|