今年の夏山は青空に縁遠く、不完全燃焼の日々が続いていたのだが、ようやく日差しが復活。厳しい暑さの心配も何のその、標高差約800bの急坂が続く登山道には涼風が吹いてとても快適。山腹の樹林帯には木漏れ日が降り注ぎ、緑を一段ときらめかせた。そして森林限界近くになると、樹間から天空の笹原が広がるスカイラインが見えた。「早くあの頂に立ちたい」そんな思いが登頂意欲を自然と高まらせた。傾斜が増す稜線直下のロープ場を抜けると、「素晴らしい. . .」見渡す限りに続く笹の大海原と山岳展望が欲しいまま。こんなに綺麗に見えることは珍しい。「今日は空気に色があるみたい。」澄んだ空気感と艶やかな色彩感が周りの風景をより際立たせるようだ。
天狗峠で昼食後、不要な荷物をデポして、美しい円錐形の山容を見せる天狗塚本峰に登る。いつもは夏のお花畑が咲く道なのに、今年は少なめ。山頂からは剣山、三嶺から、谷を挟んで矢筈、烏帽子山、綱附山、遠くに梶ヶ森も見える絶景に、一同大喜び。余りの気持良さに眼下に広がる笹の大草原の通称「牛の背」に降り立つことに。梅雨時期のみに見られる幻の山上池の天狗池まで足を延ばせば、わずかに水面を現し、湿原と化していた。広がる青空の下、緑の笹原を縫い歩く開放感は、たまらない。「やっぱり、この山域が好きだな。」その想いを更に強く感じさせてくれた。名残惜しさを感じつつ、下山。急な下りを慎重に下りて、いやしの温泉郷で汗を流せば、爽快さは格別。またコメツツジが紫紅に染まる、紅葉の時期に登りたいね、そんな声が聞こえてきました。 |