登山口へのアプローチは、悪路だ。山に咲くウツギは結実し、代わりにクサギの花が咲く。岩場にはイワタバコが、可憐な星を瞬かせてる。マルミノヤマゴボウが、けばけばしい花を全身に纏う。
南川を渡る、錆びた吊橋から、登山が始まる。ぎしぎしと音を立てて揺れる吊橋から見上げる谷は、深い緑に覆われているが、薄っすらと秋の気配がした。
橋を渡ると、杉の植林となる。植生に多様性が見られず、単調な風景。傾斜は思いのほかきつい。しかし、不思議と疲労を感じないのは、この気温のせいだろうか。何度もガレ場を抜けて、何度もスイッチバックを繰り返し、杉林の広場で休憩する。直線的な杉の中に、生々しい存在感を発する大栃が一本だけ立っていた。曲がりくねった枝、数種の植物を着生させて、なかば朽ち果てながら、生きている。
登山道が顕著な尾根の形を示す。アセビが道脇に見え始めたのを合図に、植生はがらりと変わる。右には自然林、左は植林、そしてその間に道が通る。ふと明るくなり、開けた場所に出た。山頂に着いた。
ガスに展望を奪われた山頂に見切りをつけて、足早に下山する。楽しい川辺のキャンプが待っている。
冷たい渓流に身を浸し、暖かい風呂で汗を流す。ビールが開けられ、笑い声が、こだまする。じっくりと時間を掛けて火を通すダッチオーブンのように、お互いの気持ちが調和していく。
メニュウ
豚バラのコーラ煮
じゃがいものグラタン
トマトとバジル風味のペンネ
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